EDMラウドロックアイドル ”PassCode” その孤高の存在に無限の可能性を感じる(Part1)

passcode main6 from Musicman-net.jpg

今回オススメするのは先の読めないスリリングでカッコイイ楽曲とライブでの鬼気迫るステージングにより、ますます知名度を上げ、人気上昇中の関西は大阪出身のEDM ロックアイドル”PassCode”(パスコード)です。

知らない人はいない程、広く普及された日本のオタク文化

いきなり話がそれますが、

一昔前の”マイノリティ”なオタク文化(漫画やアニメ、ゲームやアイドルの世界)俗に言うサブカルが 今や”メジャー”なカルチャーになり、日本独自の文化とし世間にも広く受け入れられていますよね。

漫画やアニメでは”ワンピース”や”ドラゴンボール”、また多くの”ジブリ作品”などは広く好まれていますし、知らない人はいません。”進撃の巨人”や”銀魂”など人気の出た漫画は有名俳優や有名女優の起用で、すぐに実写映画化されるほど。

また、ゲーム業界に目を向けると一時品薄状態にあった”Nintendo Switch”は家族向けソフトも多く、”スーパーマリオシリーズ”などは大人気です。特にモバイルゲームは隆盛を見せ、通勤電車の中などではスマホでゲームをしている光景をよく目にします。

※ちなみに無課金でも充分遊べる”ポケモンGO”は2018年9月末時点でなんと20億ドルを売り上げているようですよ。これは世界中での課金による売上ですが、すごいですよね。なかでも日本は全体の33%程を占めているようです。

連日新しいアイドルが情報番組、クイズ番組、歌番組で登場しています。TVCMでもバンバン露出されています。”AKBグループ”の台頭と躍進は社会現象となり、TV中継される総選挙などは毎年お茶の間を賑わせています。

日本の文化やサービス、特に漫画やアニメ、ゲームなどのコンテンツは海外ファンも多く大人気ですよね。ご存知のとおり、経済産業省はこういった日本独自の文化を”クールジャパン”とし更に世界へ向け推奨しています。

大阪出身のアイドルグループ?

海外には無い日本独自の発展を遂げたメジャーカルチャーの中のアイドルシーン。アイドルビジネスのインフラもあり、日本全国には今や”何千組”、いやもしくは”万の数”のメジャーアイドルグループと地下アイドルグループが存在するといわれています。

正確な数は判らないのですが、すごい数ですね!!まさに群雄割拠な戦国時代といえます。

今更ながら、筆者はアイドル事情に疎いのですが、関東と比べ、関西は長らく”アイドル不毛の地”と呼ばれてきたようです。しかし、そういう不遇な状況下でも、世に出ている関西の人気アイドルグループは決して”有象無象”ではなく、確かな実力の伴った本物といえるでしょう。

出典元「UNIVERSAL MUSIC STORE」

出典元「UNIVERSAL MUSIC STORE」

少し前置きが長くなりましたが、今回オススメするメンバー全員が”大阪出身”の左から、高嶋楓(たかしまかえで)、南菜生(みなみなお)、今田夢菜(いまだゆな)、大上陽奈子(おおがみひなこ)からなる”PassCode”(パスコード)は正式には”アイドルのくくり”になります。…正式にはですが…

PassCode?オススメの理由や特徴は?

PassCodeは2013年に大阪にて結成され、メンバーチェンジやコンセプトの変更など紆余曲折を経て2015年に現行の4人のメンバーになり、2016年にメジャーデビューをしています。

ズバリ彼女らの特徴はアイドルらしいポップな楽曲ではなく、なんとラウドロック系。
アイドルなのにバックバンドを従え、激しいラウドロックサウンドをベースにEDMや様々なジャンルの要素を取り入れ、ボコーダーやオートチューンを駆使し、シャウトやスクリームまでこなす、バンド顔負けのアイドル?なのです。

また楽曲は総じてクオリティが高く、先の読めないスリリングな展開が特徴的です。変拍子・転調などプログレッシブ要素が多いのですが、逆にそれがエモーショナルなボーカルとデスボイスに実に上手くマッチしていて、かっこよく飽きさせることがありません。

これらのバンドサウンドには楽曲をプロデュースする平地孝次氏のセンスが強く感じられます。

最先端ラウドロックにマッチした、力強く非常に演奏力の高いバックバンドメンバーに加え、サウンドエンジニアにはロックシーンの最高峰エンジニアとして活躍中の原浩一氏を迎えており、音源のミックスが素晴らしくイイ感じです。
ラウドなロックサウンドだけど、ゴチャゴチャしてないというか、重低音だけど全ての音がくっきりしているというか、音の粒が一つ、一つ、際立っているというか。是非是非ヘッドフォンやスピーカーで聴いてみてください。間違いなく推奨です。

圧巻のライブパフォーマンス!!

そしてライブパフォーマンスは特に圧巻です。本当にビックリしますよ!

巷のアイドルの可愛らしいキャピっとしたノリは皆無で、前述のラウドロックスタイルでバンドセットを背に、ライブ会場がまさに戦場であるかのような、パワフルで鬼気迫るステージングを見せます。

また彼女らの熱心なファンは”ハッカー”と呼ばれており、モッシュやダイブは当たり前!!

特に近年ではSUMMER SONIC(サマーソニック)などの大型ロックフェスにも参加しており、初めて彼女たちのステージを見た”初見のロックファン”から驚きと絶賛の嵐が巻き起こっています。

百聞は一見に如かず!ということで、まずはチェックしてみてください!!

MISS UNLIMITED (1st Single)

MISS UNLIMITED.jpg

アーティスト:PassCode
シングル名:MISS UNLIMITED
レーベル:UNIVERSAL MUSIC JAPAN
リリース日:2016年10月26日
iTunes Store
Apple Music

・MISS UNLIMITED(初回限定盤DVD付)
Tracklist:
1. MISS UNLIMITED
2. TRACE
DVD. VIRTUAL TOUR 2016 Zepp Diver City Tokyo 公演ライブ映像

・MISS UNLIMITED(通常盤)
Tracklist:
1. MISS UNLIMITED
2. Cry Out

結成当初こそ”アイドル路線”だった彼女たちですが、2014年に現在のラウドロックスタイルになり、これまでインディーズで3枚のシングルと2枚のアルバムをリリースしてきました。

そして2016年、PassCodeはメジャーデビューシングル”MISS UNLIMITED”を発表します。

はじめてPVを見たとき度肝を抜かれました…もう素直にかっこいいです。メジャーシングル第一弾だからといってマイルドに”メディア”に媚びていません。インディーズ時代からのラウドロックスタイルを更に強調し、アグレッシブに攻めてきました。

ファミコン風電子音から始まり、全編ハイテンションでド派手なEDMサウンド、またエモーショナルでキャッチーなメロディと、ラストに向かってドラマティックに展開していく楽曲のクオリティは今までの過去の作品と比べても抜群にカッコ良くなっています。南菜生、高嶋楓、大上陽奈子のクリーンボーカル、今田夢菜のデスボイスやシャウトもパワーアップしています。
このMISS UNLIMITEDはライブでも最高に盛り上がり、今や彼女らのアンセム(代表曲)といえるでしょう。

2曲目のTRACEも今や彼女らの定番曲となります。超カッコイイです。かなり激しい楽曲となっていて、エッジの効いたギターと非常にタイトなドラムで、まさにメタルコアって感じです。なかでも今田夢菜のデスボイス、シャウトは圧巻です。

※また、こちらのシングルは通常盤と初回限定盤が有るのですが、購入はライブ収録DVD付きの初回限定盤が絶対にオススメです!!言葉だけでは表現できない彼女たちの魅力がたっぷり詰まったライブDVDです。熱気溢れる会場で、演奏力抜群のバックバンドを背に、アイドルらしからぬパフォーマンスをする彼女たちがどんなグループなのか良く判ると思います。

bite the bullet (2nd Single)

bite the bullet.jpg

アーティスト:PassCode
シングル名:bite the bullet
レーベル:UNIVERSAL MUSIC JAPAN
リリース日:2017年4月19日
iTunes Store
Apple Music

・bite the bullet(初回限定盤DVD付)Tracklist:
1. bite the bullet
2. カタルシス
DVD. MISS UNLIMITED Tour 2016 at STUDIO COASTを収録

・bite the bullet(通常盤)
Tracklist:
1. bite the bullet
2. LOST

2017年、彼女たちPassCodeは2nd singleである”bite the bullet”を発表します。

今作はプログレッシブな要素がかなり強く、かなり実験的な印象を受けます。1曲の中でめまぐるしく転調し、まるで”複数の曲が混在している”かのような楽曲です。また南菜生と高嶋楓のラップを強めに押し出してきており、新たな側面を見せ付けています。

初回限定盤収録の”カタルシス”はメロディが美しく秀逸です。全編ほぼ日本語歌詞で感傷的な楽曲は聴き馴染み良く、まさに”PassCode流バラード”といえるでしょうか。グっときますよ。良曲です。

通常盤収録の”LOST”は今作の中では一番PassCodeらしい楽曲でイントロが始まった時点でキター!!ってな感じです。個人的にLOSTが表題シングルでも良かったんじゃないかと思うくらいカッコイイのですが、bite the bulletを表題に持ってくる辺りにPassCodeの上昇志向というか、挑戦めいたものをひしひしと感じますね。

やっぱり購入のオススメはライブDVD付きの初回限定盤です。新木場のスタジオコーストでのMISS UNLIMITEDツアーのライブ映像が収録されており前回のライブDVDよりも更にパワーアップした彼女たちがみれます。

※通常盤収録の”LOST”はitunesなどのデジタル配信での購入が良いかと。こちらの”LOST”は残念ながらアルバム未収録なので、筆者はitunesで買いました。

精力的なライブ活動とロックファンからの熱視線

さて、

2016年秋のメジャーデビュー以来、PassCodeはバンドセットでの全国ツアーを精力的に行います。

明けて2017年春には”初の海外公演”を台湾の大型ロックフェス大港開唱(Megaport Festival)で行い、堂々たるステージングで会場を超満員にし、観客を大いに盛り上げました。

それでも彼女らの勢いはとどまることを知りません。

大人気”ピコリーモ”バンド”Fear, and Loathing in Las Vegas”(フィアー・アンド・ロージング・イン・ラスベガス)が、神戸ワールド記念ホールで主催した”MEGA VEGAS 2017”にも参加します。

このイベントには彼女らのほかに、”WANIMA”や”MONOEYES”、”ヤバイTシャツ屋さん”に”サンボマスター”と、そうそうたるバンドが参加していました。※ちなみに前述のピコリーモとはピコピコ音とスクリーモの略です。

また彼らFear, and Loathing in Las Vegasとは、ラウドロックにオートチューンボーカルを融合しEDM、更にはトランスの要素を取り入れたスタイルが特徴的な”アゲアゲ”ロックバンドです。
※筆者はそう思いませんが、その音楽スタイルからPassCodeは女版Fear, and Loathing in Las Vegasとも言われていますね。

こうした精力的な全国ツアーや大型ロックフェスなどへの参加は、彼女らPassCodeの存在を知らなかった、アイドルとは無縁のロックファンやキッズを驚かせ、魅了するのに充分でした。

その後、発表された1stフルアルバム”ZENITH”は彼女たちの評価を更に高めます。

ZENITH (1st Album)

zenith.jpg

アーティスト:PassCode
アルバム名:ZENITH
レーベル:UNIVERSAL MUSIC JAPAN
リリース日:2017年8月2日
iTunes Store
Apple Music

・ZENITH(初回限定盤DVD付)
Tracklist:
1. Maze of mind
2. bite the bullet
3. all or nothing
4. ONE STEP BEYOND
5. Scarlet night
6. TRACE
7. Same to you
8. カタルシス
9. rise in revolt
10. Insanity
11. MISS UNLIMITED
12. Voice 

満を持して発売された、PassCode待望のメジャー1stフルアルバム”ZENITH”!!

今作のリードトラックでもある”ONE STEP BEYOND”と”Same to you”は既にshort ver.などがyoutubeや一部ラジオでも先行配信され、それぞれの楽曲のクオリティに今アルバムの期待感も非常に高かったのですが、それを遥かに超えてきた渾身の一枚です。傑作です。

今回のアルバムは、今までより更にラウドロックなバンドサウンドでまとめられています。1曲目から最後まで全編を通して、まったく先の読めないスリリングな展開を見せます。

”MISS UNLIMITED”に”TRACE”や”bite the bullet”、”カタルシス”は言わずもがな、その他の楽曲も非常に完成度が高いです。以下”超簡単”に駆け足レビューを記載します。

疾走感溢れる”Maze of mind”、まるでインディーズ時のアルバム”VIRTUAL”に寄せているかのような”all or nothing”。ライブで盛り上がり必死な”ONE STEP BEYOND”、途中まで可愛らしい印象ですが、最後はやっぱりPassCodeな”Scarlet night”。”Same to you”は三拍子パートと凶暴なEDMパートが秀逸で、”rise in revolt”もまたフックが超強烈で印象深いです。”Insanity”は彼女らにしては意外な直球型ロックサウンドで、最後はPassCode流バラードのVoiceで締めくくられます。

今回のアルバムタイトルでもあるZENITHとは、日本語で”頂点”などの意味があり、まさに彼女たちの更なる高み、まさに”頂点”を目指すかのようなピッタリなタイトルですよね。

そしてなんと今作、日本、台湾、香港、タイのitunesロックアルバムチャートで1位を獲得しています!!

なんともすごいですよね!…

でもアイドルですよ、彼女たち…ロックチャートって…アイドルがロックで1位って!!まさに快挙!!!

”アイドルのくくり”ですが、もはやその枠にとらわれず、”ロックアーティスト”といったほうが良いでしょうか。

またまた今アルバムも購入は初回限定盤を押します。初回限定盤がオススメ。彼女たちPassCodeのPV集と、前述の台湾ツアーのドキュメントが収録されているのですが、必見はONE STEP BEYONDの”Dance Shot Only ver.”です。緊迫感のあるオリジナルPVも良いのですが、筆者はこちらのほうが好みです。
※こちらyoutubeにも上がっていないようなので是非購入してチェックしてください。

余談ですが、アイドルとはま~ったく無縁な友達に、アルバム発売前にMISS UNLIMITEDを聞かせたんですよ。そうしたら、次会ったときになんと「ZENITH買ったよ!ヤベー!!」って知らせを聞いたときは嬉しくなりました。ジャンルの”大枠”や”くくり”関係無しに良いものは良いんだな、と再確認しました。只、残念なことに通常盤だったらしく、言っておきました。「次は絶対に初回限定盤にしろ!映像もヤベーから!!」と。

孤高の存在と無限の可能性を感じる

幾度のメンバーチェンジやコンセプト変更、”オケ”ではなくリアルなバンドスタイルへの変更など、今やロックファンからも注目される存在になった彼女たちも、その物語は決して順風満帆ではなかったと思います。

リリースごとに、どんどんパワーアップする楽曲や、ファンを魅了するエネルギッシュなライブの積み重ね、精力的な対バン、ツアーの経験、またひしと感じる挑戦や向上心が、今の輝かしい評価に繋がっているのではないでしょうか。

一番最初のほうで記したとおり、日本のカルチャー”クールジャパン”は海外でとても注目されています。アメリカやヨーロッパでワールドツアーを行っている”BABYMETAL(ベイビーメタル)”のように彼女たちは世界中でも人気が出るのではないでしょうか。既にitunesロックアルバムチャートの実績などアジアでは注目されていますし、BABYMETALとはまた違う”音楽性”と”パフォーマンス”は絶対にうけると思います。
※youtubeに海外リスナーのPassCodeのPVに対するリアクション動画が上がっていますので、是非チェックしてみてください。

いわゆる、「ロックやってる私たちってかっこいいでしょ」的な、格好だけの”なんちゃってロックアイドル”ではなく、楽曲、ステージングの全てが高水準なクオリティの”本気のロックアイドル”、いや、まさに”ロックアーティスト”としてのPassCode。筆者は昔からいろんな音楽が好きだったのですが、今までこんなにまで”異質で異色”な振り切ったアーティストを見たことがありません。

何処にも属さない孤高すら感じる存在感と、世界に通ずる無限の可能性を、彼女たちに感じてしまうのは筆者だけではないと思います。
(Part2)へ

PassCode関連リンク

PassCode Official Site
PassCode | UNIVERSAL MUSIC JAPAN
PassCodeオフィシャル (@passcodeO) | Twitter